【旅行記】8月3日④ 立山黒部アルペンきっぷ 信濃大町から富山へ
予定より約2時間遅れてようやく山越えである。ただ、実はこの特急あずさ26号を使うパターン。名古屋をゆっくり出発する場合のプランとして一度検討していたものなので、特急から最終接続になることは知っていた。ただ、信濃大町で5分の乗り換え時間。しかも、最終接続なので途中で乗り遅れたらどうにもならない。それで、余裕を持って移動するために7時に出発したのだ。それが・・・。まぁ、結果的にアクシデントに対応できたと言えばできたのだが。
さて、駅からアルペンルートのバス乗り場までは3分ほど。少し写真を撮ってバス乗り場へ。そこそこ乗客もいて、これから一緒に山を越える人たちなのかなと思う。時刻表片手に運転手に、「このバス関電トンネルの扇沢行のバスですよね。」と軽い気持ちで聞く。すると、「そうだよ。どこまで行くの?」というので、「山を越えて富山まで。」と伝えると。「え?これは富山までは行けないよ。途中の室堂。一番高いところで終わり。」と言う。「ええ・・・?またアクシデント?今日はなんという日だ・・・」と。一瞬途方にくれる。アクシデントだらけ。運転手に「何を見てきたの?」と言われたので「ホームページで調べてきた。」といい、私は恐る恐るバスにあった時刻表を見ると、同じように最終接続と書いてある。私は、運転手に時刻表を見せながら「ここに最終接続って書いてるんですけど・・・。」というと、「あら、本当だね。うーん、と首をかしげながら運転手はバスの案内所へ。すると、案内所のおばちゃんも首をひねりながら、行けることになってるね」って。まぁ、今から乗る最終接続は夏の間だけのもので、春や秋はもう少し早い時間が最終接続になるのだから、わからないわけでもない。だが、もう2週間以上このダイヤなわけだし・・・。運転手は、扇沢に着いたら一応案内の人に聞いてと言う。バスは最初は結構席が埋まるように乗っていたが、みな途中の温泉街で降りてしまい。扇沢まで乗ったのは私だけになってしまった。
扇沢駅に着くとき、駐車場に消防車や警察が来ていた。私は、「観光地の駐車場だからだれか事故ったか。」と思いながら、時間がないのでさっさと駅の写真を撮る。改札口に向かう途中、熊の剥製があったので撮影。熊ファイター万歳。あとでわかったことであるが、警察・消防が来ていたのはそこで観光客が熊に襲われ重症になったらしい。午後2時ごろというので、タクシーが予定通り来ていたらちょうどその時間にあたったか、襲われた直後で騒然として写真どころじゃない時間だったのかもしれない。ある意味運は良かったのかもしれないが、でも予定通りに越したことはない。
こんなクマがでたなんて・・・。
スイッチがあって、発破できる。
いよいよ黒部ダムはもうすぐである。ふもとからずっと山に雲がかかり、山が見えていなかったので天気はあまり期待していなかった。案の定スッキリしない天気。いよいよ関電トンネル。くろよんダムを建設する際に、資材を運ぶために掘り進めた大町トンネル。あの「黒部の太陽」の舞台である。また、「プロジェクトX」でも有名なトンネル。ここまで来たかという感じである。
トロリーバスは電車の仲間
乗客は他になし
トロリーバスでいざ出発(前面展望を後日アップします)。狭いトンネルを進んでいくと、異常出水で難工事となった破砕帯へ。ブルーにライトアップされている破砕帯をバスは一瞬で通過。それからまもなく、長野県と富山県の県境を通過。いよいよ富山である。そして、まもなくバスは黒部ダム駅に到着。
ついにここまできた!
夕方ということもあり少し涼しい
重い荷物を持ちながらダムのほうへ。係員に、「次のケーブルカーまであまり時間がないから頑張ってね」と言われたので一生懸命歩く。一応、もう一本あとのケーブルカー最終接続になっているので慌てることもないが、次のケーブルカーに乗ることができれば少し余裕ができるので頑張って歩く。明日もう一度来るとはいえ、ダムも気になるので半分霧に包まれたダムを撮影しながら早足でケーブルカーの黒部湖駅へ。黒部湖駅にはギリギリに着いたので、もう出発だからと急がされる。さらにJRのフリー切符にアルペンルートのフリー切符を発行して付けられる。もう、この辺になるとほかに乗客がいなく前も後ろも写真取り放題。ただ、重い荷物が・・・。
黒部湖駅からはすべて地中のケーブルカーで黒部平駅まで。ここから大観峰まではロープウェイに乗る。ここも他に乗客は1組のカップルのみ。前面展望撮り放題。しかし、霧の中・・・。真っ白で何も見えない・・・。係員がテープのかわりにガイドをしてくれた。ここが霧に包まれたのはここ1,2時間のことでそれまでは見えていたらしい。1、2時間と言うとタクシーで遅れた分か・・・。大観峰はさすがにヒンヤリしていた。
ここで立山トンネルトロリーバスまで若干時間があったのでペットボトルのお茶を購入。改札を待っていると、ここまでは他の客はいなかったが、本当の最終接続となる次のロープウェイの客が数名来て同じバスへ。それでも、数人である。バス一台で出発すると、反対側から立っている人もいる混んでいるバス3,4台とすれ違う。山から下りてくる人はまだ結構いるらしい。バスはアルペンルート最高地点の室堂に到着。さすがに寒い。ここは乗り換え時間がわずかですぐに次の高原バスに案内される。バスに乗り込むと暖房がついていて、まるで冬みたい。人もたくさん乗っていたので一番後ろの座席へ。バスの観光案内テープを聞きながらゆっくりゆっくり山道を下る。もうかなり薄暗くなってきている上に、霧で前が見えない。いろいろ案内をしていたが、見えないのでいつの間にか眠ってしまった。バスで50分ほどで美女平到着。あとはケーブルカーと電車。ここでの待ち時間でお土産を購入。
無事立山駅に到着である。間違いとはいえ、一度山を越えられないと言われただけになんだかホッとした。ここは接続が悪く、電車が行ってしまった後なので40分ほど待つことに。駅には虫がたくさんいるし、なぜかツバメが駅舎内に巣を作り子育てをしている。それがビュンビュン飛んでくるのでそれも怖い。立ったり座ったり逃げたりしながら待ち、やっと富山地方鉄道の電車へ。
電車の中でこの記事を書きながら1時間半。20:25に予定より2時間遅れて無事富山到着である。いろいろあったけど冷静に考えれば大きな損はしていないし、無事について何よりということである。