最近、YouTubeを見ているとゲーム配信をしている方を多く見かけます。もし、20年前に今のような環境があったら私も積極的にゲーム配信をしていたのかもしれませんが、最近は人に見ていただけるような技もなければ、面白いネタも思いつきません。とはいえ、どんなことでもまずは試してみることが大事。ゲーム配信の技術も他の何かに応用できるかもしれませんし、自分の引き出しが増えることには変わりありません。実際にやってみると、動画配信に必要なアイテムのことや配線のの仕方、設定についての知識が増えました。ゲーム映像をパソコンに取り込むために購入したMiraBox HD VIDEO CAPTUREも使い方次第で動画がカクカク動いたり表示されなかったりしました。この記事では、誰でも簡単に動画配信ができるように、私が使ったものとその設定について紹介します。
ゲームの動画配信は難しい?
時代は変わって「動画配信」は簡単に!
ゲーム配信をするためには、当たり前のことですがゲーム機がなければできません。調べてみると、最初から動画配信が可能になっているものもあって、例えば「PlayStation 4」(PS4)の「SHARE機能」を使えば、簡単にゲームの実況動画やライブ配信ができます。付属のヘッドセットを使えば、プレイヤーの実況も入れて配信することもできます。時代は変わったものです。もちろん、パソコンでできるゲームもOBSで画面をキャプチャすることで簡単に配信できます。
この記事で紹介する内容は、いわゆるテレビゲームなど、通常はパソコンを経由しないで遊ぶものを配信するお話です。パソコンに映像を取り込んでからYouTubeなどで配信することになるので、「キャプチャーカード」というものが必要になります。この方法を使えば、古いビデオテープなども同様にデジタル化できます。
パソコンがあるならあとはこれ!
ゲーム機とインターネットに接続できるパソコンがあるのなら、あとはゲーム映像を取り込むだけですよね。その際に私が使ったものが、MiraBox HD VIDEO CAPTUREです。
さて、このMiraBox HD VIDEO CAPTUREですが、簡単に言えばHDMIで出力されてくる映像をUSBでパソコンに取り込むものです、Webカメラなどと同じように映像キャプチャデバイスとして使います。ゲームを録画したり、実況配信したりするときはOBSなどのアプリを使用して映像を取り込みます。
OBS(オープンブロードキャスタソフトウェア)、Xスプリット、ポットプレイヤー、twitch、Youtube Live、Facebook Live、Wirecast、vidblasterX、Resolume、Googleハングアウト、Skypeなど
MiraBox HD VIDEO CAPTUREのUSB接続問題
では早速OBSを使って「あつまれどうぶつの森」をパソコンに取り込んでみました。OBSは元々YouTubeで小・中学生向けの授業配信をした経験があったのである程度使えます。
極端な話ですが、映像を取り込む際の映像デバイスをWEBカメラではなくMiraBox HD VIDEO CAPTUREにするようなイメージです。もちろん、OBSですので複数のデバイスを使えるわけですが、そのひとつのゲーム機の画像を増やすという感じ。ただ、それだけのことです。OBSを使える人であれば何も心配いらないと思います。
OBSで映像が出ない&カクつく原因はUSB3.0ケーブルとUSB3.0ハブ
パソコンのそばにMiraBox HD VIDEO CAPTUREを置き、付属のUSB3.0ケーブルで接続している間は何も問題がありませんでした。しかし、動画を取り込まないときもUSBケーブルをつないだ状態にしていたら常に電源が入った状態になります。さらに、パソコンの電源を切ってもUSBの給電は止まりません。わずかな電力だとは思うのですが、使っていないときでもMiraBox HD VIDEO CAPTUREがほんのりと温かくなっています。もったいない!USBを抜けばいいのですが毎回抜き差しするのも手間です。そこで購入したスイッチ付きハブだったのですが…。ちなみに、私が使っているスイッチ付きのUSBハブは次のものです。
さて、何も問題なく動作していたのですが、このスイッチハブを経由すると動画にカクつく様子が見られました。結論から言えばUSBケーブルの問題です。やってみたことは次の通りです。
① 付属のUSB3.0ケーブルのみでパソコンと接続→問題なし(多分、一番推奨されるつなぎ方)
① 付属のUSB3.0ケーブルが短いので、USB3.0の延長ハブを中継して接続する。→問題なし
② 付属のUSB3.0ケーブルの代わりに長いUSB3.0のケーブルとUSB3.0の延長ハブを中継→カクつく。
③ スイッチ付きのUSB3.0ハブと長いUSB3.0ケーブルにする→映像が出ない。
④ 長いUSB3.0ケーブルを直接パソコンにつなぐ→若干カクつくが動く。
この時点で、長いUSB3.0ケーブルは使わずに付属のUSBケーブルを使うことを決定!
⑤ スイッチつきのUSB3.0ハブと付属のUSBケーブル→映像がでない。
⑥ スイッチつきのUSB3.0ハブをコンセントに接続&付属のUSBケーブル→問題なく映像が出る。
結局、このスイッチハブを経由するときは、アダプターを接続した状態でないと映像をうまくとりこむことができませんでした。ということは、電力不足なのか、給電によりデータ通信が抑制されてしまうのか。その、どちらかが考えられます。
いろいろ試した結果、以上のような結論に達しました。
OBSのの設定について
MiraBox HD VIDEO CAPTUREとOBSで迷うのが「音」の問題だと思います。動画に音が入っていない、または動画には入っているけどプレイ中には聞こえない。これってどうなのって迷うところだと思うので、簡単に説明します。
映像が表示されない
もう、根本的に動画が表示されない場合の話です。ソースの「映像キャプチャデバイス」がMiraBox HD VIDEO CAPTUREになっているにも関わらず表示されない場合は、ダブルクリックして「プロパティ」を開き、デバイスのタブを切り替え直してみます。一度、他のデバイスにしてからもう一度MiraBox HD VIDEO CAPTUREにすると映像が出ます。
動画に音が入っていない!
さて、まずは、撮影した動画に音が入っていない場合の対処法です。撮影時に自分が聞こえないだけなら問題ないのですが、録画した動画に音が入っていないとこれは問題ですよね。まずは、➂ OBSの音声ミキサーのゲージを見ます。ゲームの音に合わせて反応しているならば問題は無いはずです。

そこが無音の状態のときは、「ソース」の① 映像キャプチャデバイスをクリックします。プロパティのウインドウが開くので、②の「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れて、音声デバイスを「MiraBox VIDEO CAPTURE」にします。➂の音声キャプチャデバイスのゲージが動き出せば動画にゲームの音が入ります。
ゲームの音は入った。でも、プレイ中は聴けないの?
実は、OBSでゲーム動画を撮影する際、スピーカーからはゲームの音が聞こえません。これは自分で話す声のことを考えたら分かるのですが、もし、マイクで話しながら自分の声がスピーカーから聞こえてきたらズレたり二重になったりしますよね。そのため、記録される音を聞きながら撮影するためには、ヘッドホンなどをして音がマイクに入らないようにしなければいけません。また、そもそもマイクを使わないなら次のようにすればできます。でも…ゲーム会社規約ではただのプレイ動画はNGなことが多いので編集をしないのなら「音声」を入れてオリジナリティを出した方がいいですよね。では、どうするか・・・。➂ の音声ミキサーの歯車をクリックし、オーディオの詳細プロパティを開きます。音声モニタリングを「モニターと出力」にします。
マイクで音声実況をするときに気を付けること
以上のように、マイク音声を入れないのなら何も気にすることはありませんが、マイク音声を入れるならスピーカーから出力されるゲームの音がマイクから入らないようにしなければいけません。一番簡単な方法としてはヘッドホンをすれば解決です。もしくは、スピーカーから出るゲームの音を小さめにして、音がマイクに入らないようにするのもいいでしょう。実況中継するなら「マイクから入る音」に気を付けて収録しましょう。
著作権・使用料の確認
さて、環境は整いましたが気を付けなければならないのが著作権や使用料の問題です。やっている人がいるからOKという考え方は甘いですよね。テレビ番組なんかをアップしているのは違法です。ゲーム動画配信も、公式サイトで確認する必要があります。そこで、私が配信しそうなゲームの公式サイトまたはその販売元のサイトを調べてみました。
任天堂の考え方
私が配信する可能性があるゲームは「あつ森」「スプラトゥーン」「マリオパーティー」などがあるかなと思い、任天堂のホームページを調べてみました。
任天堂は、個人であるお客様が、任天堂が著作権を有するゲームからキャプチャーした映像およびスクリーンショット(以下「任天堂のゲーム著作物」といいます)を利用した動画や静止画等を、適切な動画や静止画の共有サイトに投稿(実況を含む)することおよび別途指定するシステムにより収益化することに対して、著作権侵害を主張いたしません。
もちろん、何でもかんでも許されるということではなく、ルールはありますが、基本的にはOK。さらには、「任天堂は、Nintendo Switchのキャプチャーボタン等の機能を利用する場合を除いて、お客様ご自身の創作性やコメントが含まれた動画や静止画が投稿されることを期待しております。お客様の創作性やコメントが含まれない投稿や任天堂のゲーム著作物のコピーに過ぎない投稿はご遠慮ください。」とあります。積極的にやりなさい。でも、工夫が無いものはダメよということです。オープニング動画やBGMだけただ流すのは遠慮してほしいということです。
個人であるお客様は、任天堂のゲーム著作物を利用した動画や静止画等を、営利を目的としない場合に限り、投稿することができます。ただし、別途指定するシステムによるときは、投稿を収益化することができます。
私のチャンネルでは基準を満たしていませんが、広告収入を得ることも問題ないようです。
MINECRAFT
マイクラも動画配信OKです。公式サイトの最下部のリンクから次のページにアクセスして確認しました。
抜粋すると…
必須要件 (ブランドおよびアセット利用ガイドラインに記載) および命名ガイドラインを遵守し、これに従う場合に、合法的な理由で Minecraft をプレイしたり使用したりしている動画やストリーミングを作成、使用、配布すること、および広告を追加したり許可したりすることでこうした動画やストリーミングからお金を稼いでも構いません。ただし、以下の場合に限ります。
- すべての動画ダウンロードが無料で閲覧できる (有料の制限や、動画を閲覧するためのその他の料金がかからない)
- すべてのストリーミングが 24 時間以内に無料で視聴できるようになる
- オーディオコメンタリーや、素晴らしい作品を作っているご自身の映像など、動画やストリームに独自のコンテンツを付加している
- 他の製品やサービスの広告宣伝を目的とした動画やストリーミングを作成し、使用していない
- 動画やストリーミングの物理的なコピー (DVD など) を販売しない
- テレビ放送を通じて動画やストリーミングの配信や配布をしない。理解の一助となるよう明記しますが、付加する独自のコンテンツは、広告を通じてお金を稼ぐのに十分な量である必要があります (そして、弊社がそれについて決定を下す権利を留保するものとします)。
つまり、ただ単にMinecraftをプレイしているだけの動画や、他のユーザーがすでにアップしているような、既視感のある動画ではダメで、オリジナリティが必要です。そこは任天堂と同じです。
スクエア エニックス
ゲームソフトによって条件が異なります。
switchの『ドラクエ』『ドラクエⅡ』『ドラクエⅢ』に関しては、ゲームのプレイ動画ついては、個人利用の目的に限り、ガイドラインに従いインターネットに投稿および生放送配信をすることは可能とあります。もちろん、実際に配信される場合は公式のガイドラインを確認してください。次の著作権表示をすることが必要です。どの著作権表示をしたらいいかは投稿する動画によって異なりますね。
© 1986, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
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© SUGIYAMA KOBO
コナミ
最新の「桃鉄」はゲームプレー動画の投稿を応援するキャンペーンを実施!
「『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』動画投稿ガイドライン」を守っていただければ、動画投稿し放題!
おすすめのプレー動画をTwitterに投稿すれば、オリジナルTシャツがもらえるチャンスも!
投稿するプレー動画は、編集や加工をしたり、顔や声と組み合わせるなどのいわゆるゲーム実況に用いたりすることができます。ただし、この場合の条件として…。
・BGMやキャラクターの画像など、本ゲームに含まれる一部の要素のみを抜き出さないこと。
・プレー動画の加工・編集により第三者の権利を侵害しないこと。
・その他、本ゲームの内容を正しく把握することを妨げる過度な編集や加工はしないこと。
基本的に、通常のプレー動画を実況してアップロードする分には問題はないようです!やったね。
コナミ公式ページにの「よくある質問」を見ると、「著作物の利用について教えてください」の回答として「著作物の利用について、原則として個人のお客様へは許諾をさせていただいておりません。」とあります。プラットフォームのプレーシェア機能を利用する場合は、収益化をしない場合に限りOKというツイートも見たことがありますが、最新版の桃鉄以外はやめておいた方がいいでしょう。
JASRAC
ついでに、JASRACについても調べました。JASRACと利用許諾契約を締結している以下のサービスでは、一般ユーザーの皆さまが個別にJASRACへ利用許諾手続きを行なわなくともJASRAC管理楽曲を利用したUGC(動画・歌詞)をアップロードすることが可能です。

購入したCDやダウンロード配信音源をそのまま使うことはできませんが、その楽曲を自分たちの演奏で製作した音源であり、特定の企業や、商品を宣伝するものではないものを「個人でアップロードする」分には問題がありません。また、「企業」「団体」でも動画で使用する楽曲は内国曲のみである場合はOKとなります。
ボカロに歌わせたものをアップロードするのは2008年4月にJASRACと二次利用の包括許諾をしたことにより、JASRACが管理する楽曲に関しては合法化されていますが、スコアメーカーで出力した音源はどうなんだろう?
もうちょっと調べてみる必要がありそうですね。