【旅行記】8月5日 ③ 黒部峡谷鉄道 宇奈月から欅平まで
次は、観光パンフレットでよく見る黒部峡谷鉄道に。やまびこ展望台でトンネルから出るトロッコを撮影したあと、ダッシュで乗車券を購入し、改札へ。暑い。ペットボトルのお茶(300ml)を購入し、一気に飲み干す。車内にトイレがないので心配だったが、汗で全部出てしまうようで、トイレにはなかなか行きたくならなかった。
さて、このトロッコ電車。もとは黒部川電源開発のための資材運搬用鉄道で便宜的に旅客扱いをしていた。断崖絶壁の落石の多い区間を走行するため、運行当初は、切符に「生命の保障はしない」旨の注意書きがあったらしい。1971年6月に関西電力から分社化され、地方鉄道事業の譲渡を受け、現在でも関西電力の100%子会社である。そのため社紋は関西電力の社紋の中にレールの断面を入れたものになっている。
14:56宇奈月(うなづき)発の欅平(けやきだいら)行に乗車。まもなく午後3時ということもあり、欅平に向かうにはかなり遅い時間である。それでも、かなりの乗客が乗っていた。電車は、ガタゴトと音を響かせながら黒部川に沿って進んでいく。普通車は窓ガラスがないので風が心地よい。途中いくつもあるトンネルは壁を触ることができそうなぐらいぎりぎりで、しかもトンネルの壁面は掘ったままのデコボコの形をしている。ひんやりとした空気と、電車の走行音が心地よく、乗っているだけでも遊園地のアトラクションのように楽しめる。虫やカーブ・ブレーキの音が少しうるさいが大自然の中を楽しむのだからそれも一緒に楽しもう。
電車は工事関係者や資材の輸送が本来の目的のため、途中に乗降できない駅がたくさんある。行き違いのために停車はするが、一般客の乗車可能な駅は、宇奈月・黒薙・鐘釣・欅平駅である。ツアー客などは途中の鐘釣駅で降りるケースが多いようで、この列車もほとんどの乗客が鐘釣で降りてしまった。また、反対側のホームで待つ乗客も多く、この様子からも見所が多いようである。公式ホームページの見所案内によれば、温泉宿もあるらしい。
車窓からの景色は本当にすばらしく、どの写真をアップするか迷うほどである。その中でも特によいものを紹介したい。川の水の色がまたすばらしい。
1号車に乗ったので、後ろの車両がよくみえる。
黒薙駅では黒部川第2発電所の支線があった。
このトンネルはなんと線路沿いに宇奈月から終点の欅平まで続いていて、電車の動かない冬期間に関係職員が歩いて移動するために使われているものである。人一人がやっと通ることができる大きさで、休まず歩いても6時間かかるそうだ。ここを、女性の看護師も歩いていくというのだからすごい。実は、終点欅平から、昨日行った黒部ダムまでのルートがつながっているらしく、黒部ルート見学会に参加すれば全区間体験できるらしい。大変魅力的である。いつか行ってみたい。
旅行記は5-4 欅平周辺散策につづく