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JR北海道開発のDMV 阿佐海岸鉄道でまもなく営業開始

 タイトルにあるように、四国にある阿佐海岸鉄道にJR北海道が開発したDMVの導入が決定し、まもなく営業運転が開始されます。この、阿佐海岸鉄道は今回の記事を更新するまで知らなかったのですが、営業距離が10km(2020年にJR四国から牟岐線阿波海南駅 – 海部駅間が編入され1.5km延びる)の短~い路線です。そこにDMVが導入されることで道路も走るようになり、温泉や水族館、室戸岬もまわることができるようになります。また、世界初となるDMVの営業運転となるので、観光資源としても期待されています。

 さて、私が初めてDMVを見たのは2005年の9月でした。それが下にある4枚の写真です。通信環境が良い時代になったので、今回のホームページリフレッシュに伴い順次大きな画像に差し替えつつ更新しているところです。しかし、数年前に鉄道写真用のハードディスクがいかれてしまい、古い鉄道写真を大量に消失してしまいました。そのため、当時ホームページに掲載していたものを再ダウンロードしたものしか残っていません。ホームページ用に圧縮・縮小していますので、今見るとちょっと物足りないですよね。本当に、バックアップって大切です。

 当時私が北見で見たこの2両のDMVは、背中合わせに連結できる第2次試作車(911、912)です。Wikipediaによると2005年10月3日に石北本線北見駅 – 西女満別駅 – 女満別空港間で実用化を前提とした走行試験が行われたとされていますが、私が見たのは9月27日。公式の走行試験よりもさらに前なので、本当に貴重な写真だと思います。今の時代ならTwitterでシェアされるので追いかける人がいそうですが、さすがに当時はだーれもいませんでした。

 この車両。道路と線路の両方走れるなんて夢がありましたね。ただこれ、背中合わせに2両で連結していますが、この車両で後ろ向きに乗るのは嫌ですね。なお、開発には地元手稲の株式会社日本除雪機製作所が行ったそうです。手稲区曙や国道5号線沿いにあって、道路からでも除雪車が並んでいる様子が見えます。あそこは、線路を除雪する車両も作っている会社だったんですね。それにしても、2両連結している写真はかなりレアかもしれません。

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東藻琴での試験営業運転(2次試作車)

 さて、それから約一年半後の2007年4月、Taku@Kitamiさんが試験営業運転をするDMVに乗車するオフを設定してくれました。これは、第2次試作車を使用して釧網本線浜小清水駅発着で行なっていたもので、浜小清水駅から藻琴駅までは線路を走行し、藻琴駅から浜小清水駅は国道244号を走行していました。今ならインターネットで簡単に手軽に手配できると思いますが、当時は電話での申し込みが必要でした。

DMV2次試作車 911号

 間違いなく北見駅で見たDMV(911号)です。北見ナンバーです。もちろん、公道を走るので車検も通さないといけないようで、車と同じシールがフロントガラスに貼られていました。

DMV2次試作車 912号

 同じく北見ナンバーのDMV912号車です。前に出っ張った部分を取り除けば確かにマイクロバスですね。

浜小清水駅にあった時刻表

 旅行代金は大人が1500円 子供が1000円となっています。乗車前に車輪の動く様子を見せてくれたり、道路から線路に入る様子を実演してくれたりと、DMVについて簡単な説明をしてくれました。特に印象に残ったことは、線路を走る免許と乗客を乗せて道路を走る免許が違うので、JR北海道の運転士さんと網走バスの運転手さんの2人が乗車しているということでした。実際に営業運転を始めるとなれば一人の運転士でできるようにすると思いますが、DMVを運転するためには最低でも2つの免許が必要なのだということもわかりました。車両にも「網走バス」という文字が入っています。

いざ乗車!DMVの車内は?

線路の上を走りますが、もちろん道路も走るので基本的にはバスの運転手と同じです。

 まず最初に目に入ったのが、このルービックキューブのようなボタンの数々。中心にあるATSのスイッチは線路を走る時に必要なんだろうなということは素人にも分かります。

 これがATSという装置。そういえば、北斗星のATSを破壊した運転士がいたことを思い出しましたが、こういう機械を蹴飛ばしたりハンマーで叩いたりしたのかな。そう簡単には壊れなさそう…。

  これがDMVの運転士用時刻表です。鉄道のダイヤが秒単位であることを考えると、その前後を走る道路担当のバス運転士のプレッシャーは結構なものですね。線路を走った時間は約20分でした。

出発前の点検

 実験中であり、さらに線路と道路を走るという特別な事情もあるので事前の点検項目はたくさんありそうでした。

 車輪を下した状態。線路では前タイヤは完全に宙に浮いた状態になり、後タイヤの動きで車両は進みます。

車内から見る景色

この先が釧網本線です。

  車両後方の景色です。ガイドレールは鉄道模型のリレーラーのようなもので、線路に車輪を載せるときにズレないようにします。今の技術ならコンピュータ制御で微調整して線路に載せることもできそうですが意外とシンプル。素人が考える以上に、きっと深いわけがあるのだと思います。15秒くらいで線路に乗ることができます。

ここから釧網本線に乗り入れです 踏切ようなバーがゲートの役割をしています。この当時は試験走行だったのでDMVが釧網本線を走ることができましたが、阿佐海岸鉄道のホームページによると 今の法律では鉄道車両とDMVは同じ路線を走ることができないようです。2020年にDMVを導入する阿佐海岸鉄道は既存の鉄道車両を全てを廃車にするようです。

 そのため、DMVで走る線路を鉄道車両で走るということは今の状態ではできません。DMVから見る鉄道車両。こんなことは、実際の営業運転では見られないということです。

 車内は小型のマイクロバスなので実に密です。 そのぶん外の景色が近く見えるので、観光には向いているのかもしれませんね。これもまた余計な心配ですが、ホームにたくさんの乗客があふれるような状態になったらどうするのでしょうね。電車 や普通のバスのように、もっと奥に詰めてというようにはなかなか行かなそうなスペースです。

  道路に出るときは ガイドレールに頼ることもなくシンプルにモードチェンジをします。 設備も見ての通りですので、これなら多くのお金をかけずに導入できそうですね。ただ、鉄道車両かDMV かの2択を迫られると、これはまた判断に迷うとこですね。阿佐海岸鉄道は大きな決断をしましたね。

 実際の営業運転では、DMVと鉄道車両は同じ線路を走ることができません。キハとの共存はできないのか~。

道路を走っている時はただのバスです。このバスに立って乗るのは少し怖いような気がします。

約1時間の楽しい乗車体験が終わりました。この後、2台のバスは網走バスの営業所に戻っていきました。

当たり前と言えば当たり前のことですか、線路を渡る時はちゃんと踏切を渡ります。

  道路を走っている時に何も知らない人が見たら、やはりただのバスですね。

知床連山をバックに走るDMV 春の北海道の美しい景色です。

小樽市総合博物館でのDMV試乗会(3次試作車)

 2008年(平成20年)の洞爺湖サミットにあわせて、トヨタ自動車・日野自動車・富士重工業の協力を得て製作されたのが第3次試作車(920)です。車体はトヨタ・コースターがベースで定員も増加しました。ただし、鉄道車両としては前後の車輪の間隔が長いために走行安定性に難があり車検も取得していないということでイマイチでした。この車両の登場をきっかけに、DMVの愛称はサラマンダーからダーウィン(Darwin)になりました。2010年の11月には、北海道の鉄道開業130周年を記念して小樽市総合博物館でのDMV体験乗車(920号)やSLしづか号との対面などを行いました。

正門前にあるクロフォード博士の像。撮り鉄の大先輩・・・ではなく測量の図です。

DMV3次試作車の外観と車内

 2次試作車と比べるとライトのまわりのデコボコがなくなりスマートになったように思います。黄色と黒のカラー配置も逆になっています。2枚の写真を比較できるようにしてみました。構図が若干ずれているのでちょっとわかりにくいですね。

DMV3次試作車 920
DMV2次試作車 912

 車検をとってないのでナンバーがありません。DMV920「試運転」と書いてあります。洞爺湖サミットで公開した921も乗ってみたかったなだ。

 運転席まわりです。東藻琴で見せてもらった運転席よりもかなりスッキリしました。ルービックキューブのようなボタンも数が少なくなっていますね。電車の運転席よりもバスの運転席に近づいた感じです。考えてみたら運転席にあった時刻表も交差点の右折することを考えたら死角が増えて危ないですよね。

DMV920号の車内も普通のマイクロバス。

2008年グッドデザイン、サステナブルデザイン賞受賞。NICHIJOのロゴも入っています。

連結器の出っ張りもないし、車両全体が丸みを帯びたような感じがします。

 11月28日の試乗会なのでかなり寒い1日でした。雪も降ってきましたが、これはこれでいですね。大雪で線路の除雪が追い付かない場合は道路を走ればいい。そんなこともDMVならできたのでしょうね。

DMV動画

 小樽の試乗会では動画を撮影しました。

小樽市総合博物館でのDMV試乗会

阿佐海岸鉄道 DMVデビュー

 さて、このDMVですが北海道での活躍の道は絶たれてしまいましたが、四国にある阿佐海岸鉄道が2020年度中の導入を決定。本格的に営業運転を開始するそうです。今はその準備中。11月末には既存の鉄道車両がすべて引退することになります。コロナがおさまって安心して旅行ができるようになったらぜひ現地に行って乗車・撮影したいなと思います。

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